日本酒つれづれ
  • 杉玉
酒蔵の軒先には、大きな玉がぶら下がってるいる事があります。
大きなスズメバチの巣を吊るしていると見間違えている人もいるようですが、それは間違い。


これは杉の葉を丹念に何本も刺し束ねて、正円になるようにきれいに剪定したもので、「杉玉」または「酒林」と呼ばれています。


古来、造り酒屋は杉の葉を束ねて軒先に吊るし、その年の酒造りを酒造の神にご加護を願う風習がありました。
それを酒林と呼んだそうです。
江戸時代には盛んに使用されるようになりましたが、昔は俵型のものが主流だったそうです。
19世紀になると現在のような球状のものになったことから、杉玉と呼ばれるようになっていきました。


更に、いつの頃からか初搾りに合わせて真新しい杉玉を軒に吊るして、「今年の新酒が出来ましたよ」というお知らせの意味も持ち合わせるようになりました。
そして月日と共に杉の葉が枯れ、色あせていく様子で、酒の熟成度を表すようになったとも言われています。
地域によっては、正月飾りに使われる事もあり、年末年始に付け替える事が習慣になっている所ももあるようです。

杉玉

もともとは、それぞれの蔵でそれぞれの蔵人や杜氏が杉玉を作っていましたが、現在では委託している所が増えているようです。


作り方としては、芯になる丸い球を竹細工や針金などで作ります。
それをひもで吊るし、そこに刈り取ったばかりでまだ青々としている杉の葉を挿し込むようにして、全体が均等になるように大きな玉にしていきます。
その後、剪定を行い正円に近づけていき、完成になります。
可能な限り杉の葉の密度を高める事が見た目の美しさにつながっていくため、一般的に作業には相当の時間を要します。


杉玉の色を見、酒の熟成具合を想像しながら日本酒を飲む。
そんな通な飲み方をしてみるのも一興ではないでしょうか?